幼い頃のリウマチ熱で心臓を痛めた貧しいブロンクス生まれの7歳の少年ウォルデン(ボビーの本名)は、15歳までしか生きられないと宣告される。そんな彼に母親は音楽の世界を教え、少年は暖かい家族の愛情に包まれ成長してゆく。伝説の”ボビー・ダーリン”誕生からその人生の幕が降りる37年間の一生を描く。
昨年のブログでも紹介したボビー・ダーリン(1936~73)。彼の”マック・ザ・ナイフ”の映像の衝撃の出会いからこの作品公開の日を、どれほど待ち焦がれていたことでしょう。ご存知ケヴィン・スペイシー(1959~)がボビーを熱演したのですが、もう脱帽!というくらいケヴィンの努力に感激しましたね!作品を観た方はご存知でしょうが、作品に仕上がるまでの道のりは実に10数年の年月を費やしたというから驚きです。彼は、ボビーの音楽を幼い頃よりこよなく愛し、その愛情を大切にそしてボビーのカリスマ的歌声を壊さぬようにと、脚本を上げるより前に音楽習得に2年以上かけたそうですね。彼が最初に登場し歌いだしたとたん、「あーなんてボビーにそっくり、あのお辞儀をする背中を丸めた姿なんて・・・すごいすごい!」と映画館に観客がまばらだった事をいいことに私はもうノリノリでケヴィンの歌声に参っていました。
そして、ボビーと「九月になれば」(1960)で共演し、彼の”男の押し”で恋におち16歳で結婚したサンドラ・ディー(1944~2005)との結婚生活も描かれています。作品の製作にはサンドラも協力したそうで、出来上がった作品を観てさぞ喜んだことでしょう。しかし、公開後の今年2月20日63歳の若さで天国に召されました。晩年は肝臓を病み透析もしていたとのこと。幼くして両親が離婚し、母親の夢でショウビジネスの世界に入りそしてボビーとの出会い。67年に二人は離婚しても生涯交友があったといいます。彼女にとってボビーは恋人であり元夫ではあったけれども、きっとボビーの男らしい姿に父親としての安心感をも感じていたのでは・・・と思わずにはいられませんでしたね。ちなみに、作品の中で彼女を演じるのは今もっとも輝いている女優ケイト・ボスワース(1983~)です。
15年間のボビーの活動期間を45歳のケヴィンが演じましたが、もともと”とっつぁん坊や”のボビーの顔ですもの、それほど違和感は感じませんでしたね。ちょっぴりボビーとサンドラよりもケヴィンとケイトの方が長身であるようにも見えましたが・・・。まあ、悪っぽくも見えるやんちゃなボビーの感じはケヴィンにはあまり感じませんでしたが、男としての品の良い大人の色気が伝わる”ケヴィンのボビー”でしたね。
「他の仕事をしていても、心はいつもこの映画にあった」・・・ケヴィンのこの作品に対する愛情こもったこの言葉で、俳優ケヴィン・スペイシーの魅力を存分に感じ取れた私でした!
次回は”蘇った男ボビー・ダーリン”を語りましょうね! つづく。
# by suama | 2005-04-02 02:21 | 最新映画