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ダニー・ケイの美味しさ二倍! 「天国と地獄」

ダニー・ケイの美味しさ二倍! 「天国と地獄」_a0002405_1937799.jpg 仕事で疲れた日、眠りにつく前によく観ていた「天国と地獄」(1945米)、ダニー・ケイが双子の兄弟を演じたとってもおかしなミュージカル・コメディです。

 ナイトクラブの芸人バジー(ダニー)はギャングの殺しの現場を目撃した事で検事から呼び出されていたが、口封じにギャングの手下に殺されてしまう。そのころバジーの双子の兄弟エドウィン(ダニー二役)はいつもの様にエレンのいる図書館で研究に熱心であったが、何故か謎の声が彼の耳に囁き続けるのであった・・・。
 
 サミュエル・ゴールドウィン製作のダニー主演第2作目となったこの作品は私の大のお気に入り!エレン役にはゴールドウィンガールズからダニーの相手役になったヴァージニア・メイヨ、バジーの恋人役にはこの作品でデビューした初々しいヴェラ・エレン。その他脇を固める役者陣はお馴染みの顔ぶればかりで、いつもながら楽しませてくれるのが嬉しいの。 

 60年近く前の作品とは思えない鮮やかな色彩に、ダニーの奥様シルヴィア・ファインの楽しい音楽がちりばめられ、そしてダニーの二役という美味しい配役に文句のつけようがないわ!しかも二役には特撮が使われていて、今観ると荒い映像がほのぼのして新鮮なのも面白いの。(時々ダニーに全然似ていない!吹替えの人が映像に見え隠れするのも何ともおかしい!) 幽霊になったバジーとエドウィンが10年ぶりに再会するところはNYブルックリンのプロスペクト公園。子供の頃ダニーがよく遊んでいたところだったそうで、映画の中ではセットで登場しているの。

ダニー・ケイの美味しさ二倍! 「天国と地獄」_a0002405_19373998.jpg この作品の最大の面白さは、性格の全く違う双子をダニーが演じているところ!バジーが殺されてしまったため、一生懸命エドウィンにテレパシーでコンタクトを取り、自分の果たせなかった検事への証言をエドウィンに託すところから彼の人生が一変、バジーになりきるために堅物の彼が、ナイトクラブの舞台に立ったり、ギャングに追われたり・・・。
 中でも、私自身が自分の体験からも大笑いしてしまったのが、エドウィンの身体にバジーが乗り移って舞台で見せた”花粉症の歌手”のシーン。あまりにもつらいと思う場面なのにその気持ちがわかりすぎて、大笑い!!(あ~、一度観てもらえればこの気持ちわかると思うわ!)そして、堅物エドウィンがお酒に強くて、乗り移っているバジーが幽霊なのに酔っ払っちゃう・・・なんていうシーンも愉快なのよ!!

 とにかく、このあとに続く「ダニー・ケイの牛乳屋」(1946)や「虹を摑む男」(1947)のダニーの芸達者振りを、一足お先に存分に堪能できる作品だと思うわ。性格の全く違う双子を演じていても、どちらのダニーも本当にハンサムでスマート!彼の作品をまだ観た事がない方は彼の魅力にビックリされることと思うの!
 私の耳にはバジーが舞台に登場するテーマ曲がいつまでも鳴っているわ♪エドウィンみたいに・・・。

by suama | 2004-11-12 21:05 | クラシックムービー