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男の恋心 役所広司

a0002405_18314260.jpg 先日TV放送していた映画「Shall we ダンス?」(1996)、今回はダンスのお上手だった杉山さんこと役所広司さん(1956~)を熱く語りたいと思います。

 役所さんの作品を初めて観たのは映画「タンポポ」(1985)、その後TVシリーズ(再放送)「三匹が斬る」での素浪人”千石”こと久慈慎之介役が気に入り、1989年秋頃NHKで放送したドラマ「男たちの運動会」(脚本黒土三男氏)では毎週釘付けになって観ていた事を今回の「Shall we ダンス?」を観て思い出していました。
 
 主人公山崎(役所)は仲の良いゴルフ仲間、坂東(イッセー尾形)、謹ちゃん(平田満)、堀(谷隼人)にマンネリになったゴルフ会をやめたいと告げる。それならと、皆でそのゴルフ資金を出しあってマンションの一室を借り、男の隠れ家にしようということに・・・。その”隠れ家”を通して男たちのドキドキ、ワクワクの日々が始まるのでした。

 この紹介だけだと男たちの”いけない考え!?”が見えてきそうですが、家族との平和な毎日から悪ガキだった懐かしい日々に帰りたい・・・そんな男たちの姿が可愛くもあり、憎たらしくもあり(奥さまの気持ちね!)。物語では山崎に須磨(かとうかずこ)という互いに淡い恋心を抱く女性が登場し、その二人を結び付けようと坂東、謹ちゃん、堀が隠れ家を通して子供みたいにはしゃぐ姿が面白いの。でも皆奥さまがいるので、こんなこと許してはならないのに、皆度胸がないから和気あいあいムードにしか発展せずこれまた愉快!!謹ちゃんには「Shall we」の時の様な迫力の奥さま渡辺えり子さんが、山崎さんには萬田久子さん演じる素敵な奥さまがいるの(最後には隠れ家のことがばれてしまう)。隠れ家での男たちの顔と家庭での顔・・・男性が家庭に帰って見ている家族への思いってこんななのかしら・・・と当時結婚なんてまだまだと思っていた私には新鮮に映りましたね。

a0002405_18321841.jpg 何故この作品で「Shall we」を思い出したかというと、杉山さんがダンス教師岸川(草刈民代)へ思いを寄せている男心が「男たち」に何となく似ていて・・・そんな男性を演じている役所さんってものすごく魅力的なんですよね。頼りなくて、恋心がうまく言葉にならない・・・既婚者の男性って(女性もかしら?)こんな気持ちになることきっと誰にでもあるのでしょうね。お互いが会っている穏やかな時間の流れにきっと私は当時憧れを抱いて観ていたのでしょう。

 そして・・・97年のある日、昼の品川駅横須賀線ホームに降り立った私に素敵な出会いが待っていました。あの役所さんが一人こちらに向かって歩いてきたのです。全身黒の装いでひどくやつれ、髪にもちらほらと白いものが見えていた彼が私のすぐ横を節目がちに通り過ぎて行く。ホームに誰もいなくてもとても声をかけられる雰囲気ではなかったので私はただただ見送るばかりでしたね。その後映画の宣伝であの時の姿が映画「失楽園」と同じだと知り、もしかしてあの日出会った彼は映画のワンシーンだったのかしら・・・と思い、昨年ようやくその作品をTVで観たのですが、半分くらい寝てしまいそのシーンらしきところは確認したものの(ホームを上から撮影している)定かでないのが残念でした。

 演技派として素晴らしい活躍をされている役所さん、私は杉山さんや山崎さんの様なあなたの姿をまた見てみたいわ・・・♪
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by suama | 2005-05-19 18:53 | 映画俳優

笑顔がこぼれるね! ノーマン・ロックウェル

a0002405_2133154.jpg Norman Rockwell
彼の作品を初めて目にしたのは今から20年以上も前、鎌倉駅裏口を出てすぐのところにあった今はなき雑貨屋、ミニ額に飾られていた彼の絵と出会った時の感動を今もはっきりと覚えています。

 1894年NYマンハッタンで生まれたロックウェル(~78)は体を動かすことが苦手であったため、小さい頃から絵で生きていこうと決意、17歳の美術学校時代にイラストレーションの仕事を始め、19歳で少年誌のアートディレクターをしていたのですから立派なものですよね。そして、22歳の頃あの「Saturday Evening Post」誌に採用され、1963年「Post」が休刊になり「ルック」誌に移ってからも、ロックウェルの世界を雑誌の表紙に描き続けました。「Post」の表紙を描くイラストレーターは当時60名もいましたが、ロックウェルの表紙の号はとても人気があり、彼の作品の象徴する希望と喜びが人々の心を摑んでいたのでしょうね。そういえば、「あらいぐまラスカル」の主人公スターリングは、自分の小遣いを稼ぐ為「Post」誌を売り歩くバイトをしていましたね。彼が町の人々に届けた雑誌にはきっとロックウェルの絵が表紙を飾っていたこともあったのでしょう・・・。何だか物語りにより愛着がわいてきます。

a0002405_2121481.jpg 何気なく見ていた彼の作品に、みな実在のモデルがいたというのを知ったのは出会いから10年ほど後のこと。大好きな喫茶店で見た彼の作品集にモデル達の写真と名前が載っていたのです。そして、一枚の作品が仕上がる迄には、アイディアを出し、スケッチ、モデルや小道具を決め、ポーズを作り写真に収め、様々なパターンの絵を描き・・・やっと表紙に登場する芸術とも言える作品に仕上がるのというのですから、この作風には驚きです!

 レンブラントの抜け出てきそうな見事な写実に今でも感動し、ロックウェルから”ワクワク”や”温かさ”をいっぱいもらっている私。どちらも、本当に素晴らしい緻密な作品で、私は少しでも彼らの様に描いてみたいと10代の頃から沢山の人物画を趣味で描いていましたが、ロックウェルの作品の仕上がりまでの過程を知ったときは、絵を描くことが好きなものとしてはただただ納得してしまうばかりでしたね。(私も写真から絵を起こす手法が主だったので)
 
 いつの時代にもどこの国にも受け入れられるロックウェルの作品。仕上がるまでには途方もない過程があっても、彼の作品を見た誰もがきっと微笑んでしまう・・・☆「ルック」に移ってからは「post」誌とはまた違ったテーマで作品が作られた様ですが、描いて行くほどに彼の作品の人々は輝きを増し、時代を経てこれからも喜びを与えてくれるのでしょうね! 
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 ロックウェルの表紙を飾った雑誌を手にしていた人々が本当に羨ましい・・・。私もあの時代の彼に会いに行きたいわ!
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by suama | 2005-05-12 02:29 | ノスタルジック

鳥さんたちは大忙し 「鳥」 その2

a0002405_146466.jpg 沢山の”鳥”さんたち、ご苦労様でした。ここでは、”人間”のキャストを紹介しましょう。

 弁護士ミッチ・ブレナーを演じたロッド・テイラー(1930~)、オーストラリア出身の彼を見ていると、いつもメル・ギブソンに似ているな~と思う私なのです。今までに彼の作品を観たのは「ジャイアンツ」(1956)や「予期せぬ出来事」(1963)(この作品で演じた若手社長レス役に惚れました)など。「鳥」の女性を守るミッチのその姿は頼れる男性であり、物語前半のモテモテイメージとは違う役柄が何だか良かったですね。ちなみに旦那様が知っていた彼の主演作「タイムマシン・80万年後の世界へ」(1959)も題材が面白かったそうです。「鳥」のDVDの中のメーキング映像では、現在の”まるまる”とした彼が観られますが、さすがに時の流れを感じずにはいられないわ・・・といった感想でした。

 ミッチと別れてからも彼を思い続ける教師アニー・ヘイワースを演じたスザンヌ・プレシェット(1937~)、彼女はこの「鳥」でしか観たことがありませんが、26歳の若さには見えない落ち着きがあり、ティッピのブロンドとスザンヌのブルネットが対照的であったのもとても印象に残っていますね。

 ミッチの妹キャシーを演じたヴェロニカ・カートライト(1949~)は、アンジェラ・カートライトのお姉さんですね。しっかりした少女の頃のイメージは今も変わらず、素敵な女性になっていましたよ。

 この作品にひときわ深みを与えていたヒッチお気に入りの女優ジェシカ・タンディ(1909~94)はミッチの母親を演じました。ミッチに思いを寄せる女性にプレッシャーを与えるようなその存在、でも鳥のパニックで心の中に閉ざされていた思いが少しづつ取り除かれ、メラニーとも理想的な関係を築けそうな展開になり、良き姑になってくれそうな予感!?さえしましたね。

 番外編。食堂シーンで「世界の終わりだ~!」とこの作品の全てを象徴する”おいしい”一言を叫んでいた呑んだくれのおやじは「大草原の小さな家」のウォールナットグローブ創立者ハンソンさんを演じたカール・スウェンソン(1908~78)でしたね。
 
a0002405_201377.jpg 最後にメラニー・ダニエルズを演じティッピ・ヘドレン(1931~)はこの作品で本格デビュー、モデル時代のCM出演でこの作品の抜擢があり、57年に生まれた女優メラニー・グリフィスは、皆さんもご存知のところ。この作品前に撮られたスクリーン・テストの様子を発売中のDVDで観ることが出来るのですが、「レベッカ」「汚名」「泥棒成金」この3作品の女性を彼女はマーティン・バルサム相手に演じていますが、演技はまだまだぎこちない雰囲気・・・。でも「鳥」でのユーモアさえ演じられた彼女の”女優”への変身ぶりには驚くばかりでしたね。
 ラストの鳥に襲撃される恐怖のシーンは、機械仕掛けの鳥を使う予定が、本番当日急きょ本物の鳥を彼女の体に紐でくくりつけたりして撮影することに・・・。そしてその撮影で極度の疲労から一週間の入院を余儀なくされたそうです。考えただけでも恐ろしいですね、動物好きの彼女が今では懐かしいと語っても、そんな気持ちになれたのには時間がかかったのではお気持ちを察してしまいました。そういえば、可哀想にロッド・テイラーの事を嫌う鳥もいたそうで、彼の姿を見ればつついて追い回したりと、この撮影での俳優さんたちの苦労(洒落?)は計り知れなかったようですね!
 ”人間”のみなさま、お疲れ様でございました。 おしまい。
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by suama | 2005-05-05 01:58 | クラシックムービー

鳥さんたちは大忙し 「鳥」 その1

a0002405_043695.jpg クラシック作品だから映画の筋書きは知られていても、ヒッチコックの「鳥」(1963)はやはり観てのお楽しみというのが一番ですよね!
  
 私の故郷鎌倉、家の前には海が広がりここ10年ほどカモメたちが海沿いの道路でも見られるようになり、逗子マリーナではお弁当を食べていると、鳩の大群に取り囲まれ、トンビが急降下して見事人間の食べているものをキャッチ!なんて日常のこと。先日も江ノ島の海岸で同じような場面に遭遇し、まさに「鳥」の映画を彷彿させる出来事でしたね。この作品では”何故鳥が人間を襲うか・・・”など理由も結論も出ていないけれど、私が目にした光景は明らかに鳥と人間の関係を象徴している様に思えましたね。そして、このテーマは永遠に続くような・・・そんな予感もしました。

 「レベッカ」(1939)の原作者ダフネ・デュ・モーリアの作品。はく製・本物・機械仕掛けの鳥を使い、最新の合成やトリックを駆使して作品が出来ています。鳥が苦手なヒッチは、屍を連想させる鳥の丸焼きにナイフを入れながら殺人の話をしたり(「断崖」1941)、ホテルの朝食の目玉焼きにタバコをジュッと押し付けたり(「泥棒成金」1954)と、過去の作品ではこんな鳥の描き方もしていましたが、この作品は”鳥”さんがうじゃうじゃしている鳥、鳥、鳥・・・主役が”鳥”の世界でした!
 
a0002405_043325.jpg コンピューターを使った映画が格段に進歩した現代からすると、この作品で試みられた最新技術は取ってつけた様な画面の仕上がりにもみえますが、作品から受ける観客のショックは相当なもの。全編音楽はなく、鳥の鳴く声だけであれだけ物語を盛り上げる・・・今では普通に使われているけれど当時発明されたばかりの”電子楽器”なるものを使い、鳥の声を作っていたそうですね。(何故全編音楽なしなのに、スタッフにバーナード・ハーマン(1911~75)の名が出ていたのか今やっとわかりました。彼はこの作品でヒッチと共に楽しくこの楽器を使い、音響監修を務めたとか。)そして、鳥たちがあれだけ登場し、人間たちを恐怖におとしいれる様は、今観ていても色あせていませんね。

 多くを語らなくても、この映画を観て受けた衝撃で作品の素晴らしさと恐ろしさがわかることでしょう。次回は、映画の中だけでなく撮影中も”鳥”さんたちに悩まされたキャストたちを紹介したいと思います。

 今日も我が家の窓からは森へ帰るカラスの群れが広い空に見えるのでした・・・。 つづく。
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by suama | 2005-05-02 00:52 | クラシックムービー