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運命のいたずら・・・「旅愁」その1

a0002405_1242884.jpg 「旅愁」September Affair(1950米)、この作品辺りから魅惑のイタリアを舞台にした映画が沢山作られ始め、そして二文字の邦題も沢山生まれました。”SEPTEMBER SONG” レコードから流れるこのうたは、主人公2人の心が通い合うかの様に官能的に心に響きます。
 
 ローマを飛び立った飛行機で隣に乗り合わせた建築技師のデイヴィッド・ローレンス(ジョセフ・コットン)とピアニストのマニーナ・スチュアート(ジョーン・フォンティーン)は、エンジンの不調で不時着したナポリで2時間の修理の間2人で観光に出掛ける。しかし飛行機は2人を置いたまま飛び立ってしまう。この機会にと羽を伸ばし観光をするが、2人はいつしか恋に落ちていた。妻子あるデイヴィッドの事を思いマニーナはナポリを後にしようと決意した矢先、2人を置いて飛び立った飛行機が墜落し乗客乗員全て死亡、彼らの名前も含まれているニュースが入る。この世に存在しなくなった2人はフィレンツェで新しい人生をスタートするのだが・・・。
 
 この作品を初めて観たのは、”銀座文化”だったかしら。ラストでマニーナが「まやかしの恋はいつかは終わる」と言っていたけれど、たとえ現実を見ていないと他人から言われても彼らにしかわからない固く結ばれた何かがあったと思うの。それが道に反する関係であっても。
 
a0002405_17314187.jpg  監督のウィリアム・ディターレとジョセフ・コットン(1905~94)は、「恋の十日間」(1945)、「ジェニーの肖像」(1949)に続いて三回目の顔合わせ。3作品とも男女の切なさが伝わる私の大好きな作品。 ジョーン(1917~)は「レベッカ」(1940)、「断崖」(1941)、「皇帝円舞曲」(1948) など私のお気に入りばかりだけれど、マニーナを演じた彼女が一番好き。男性に媚びることなく、でもまっすぐな愛の形を切なく演じて見せた彼女の光り輝く表情は、50年経っても褪せることなくいつまでも私を魅了してくれるのですもの。 ジョセフ・コットンはジェニファー・ジョーンズとのカップリングも美しいけれど、ジョーンとの年の差を感じさせない甘い雰囲気は私にとって何よりのベストカップルに思えるわ。   
 
 マニーナのピアノの先生であり親友のマリア・サルバティーニを演じたフランソワーズ・ロゼー(1891~1974)。国際的な大女優の風格が作品に深みを与えてくれましたね。デイヴィッドの妻キャサリンを演じたのは「ドライビング・ミス・デイジー」(1989)で80歳でアカデミー主演女優賞を受賞したジェシカ・タンディ(1909~94)でしたね。表情豊かなお婆ちゃまの頃の印象とはだいぶ違っていたので驚いたことを思い出します。 

 この作品に憧れた私は、その後イタリアの土地へと飛び立つのでありました。つづく。
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by suama | 2005-02-27 12:04 | クラシックムービー

「アラバマ物語」のやさしさを感じて その3

a0002405_0473360.jpg お話の締めくくりは、主なキャストの紹介をしましょうね。
 
 アティカスの長女スカウト役のメアリー・バダム(1952~)はアラバマ州出身で、演技の経験の全くない少女でした。しかし、あの心をうつ演技で9歳にしてアカデミー助演女優賞にノミネートされたというのには納得がいくものでしたね。早くに女優を引退していますが、今でも彼女はスカウトを演じた事や、ペックさんの人柄などを沢山の人から尋ねられるそうです。そして”自分は永遠にアティカスの娘スカウトなのだ”とペックさんに語りかけていたメアリーの姿を私は今でも印象深く想い出しますね。彼女のお兄さんは「サタデー・ナイト・フィーバー」などのジョン・バダム監督です。 

 スカウトの兄ジェム役のフィリップ・アルフォード(1948~)もメアリー同様アラバマ出身。地元で演技経験もあり、メアリーとはお互い面識はなかったものの実はご近所同士だったそうです。映画の中ではとても幼そうに見えた彼も当時13歳、今ではちょっぴりおでこが広くなってやさしいおじ様になっていましたよ。メアリーとは撮影のないところでも、映画さながら実の兄弟の様に喧嘩していたようで、本番中でも喧嘩を引きずって演技していた事もあったと笑って当時を想い出していましたよ!
 
 ミシシッピーから夏の間、伯母(アリス・ゴーストレイ演じる、彼女は「奥さまは魔女」のエスメラルダ役で有名ですね!)の所へ遊びに来ていたディル役にジョン・メグナ(1953~1995)、彼は舞台経験のあるNY出身の少年で、お姉さんは女優のコニー・スティーブンスですね。彼を観るといつも柳沢慎吾さんに似ているな~なんて思っていましたが、その後も「キャノンボール」(1981)などに出演するも、42歳という若さで他界されています。

a0002405_0482082.jpg スカウト達には謎の青年であったブー・ラドリーを演じたのは、この映画がデビュー作となったロバート・デュバル、彼のその後の華々しい活躍は皆様ご存知のところ! 
 非業の死を遂げたトム・ロビンソン役のブロック・ピータース、その彼を告発したメイエラ・ユーウェル役のコリン・ウィルコックスなど、実力派の俳優さんが多く出演し、素晴らしい演技を観せてくれました。
 
 そしてアティカス・フィンチを演じた私の大好きなグレゴリー・ペック。彼はこの役で初めてオスカーを手にしました。原作者ハーパー・リーもスタッフの皆さんもこの映画をとても素晴らしい作品に仕上げてくれました。ペックさんの人柄がそのまま映し出されたようなあたたかさと、そして静かに時が流れていくエンディング・・・。
 この映画に出逢えて本当に良かった・・・。いつまでもこのやさしさを伝えて行きたい・・・そんな気持ちでいっぱいです。おしまい。
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by suama | 2005-02-11 00:48 | クラシックムービー

「アラバマ物語」のやさしさを感じて その2

a0002405_0443225.jpg 「ローマの休日」の頃のペックさんは実生活では3人の男の子の父親でしたが、ジョー・ブラッドリーはちょっぴり頼りない独身男性でしたね。あれから9年、アティカスを演じた彼はすっかり父親の顔になっていました。原作者ハーパー・リーが感激するほどペックさんの姿はアティカスのモデルとなった彼女の父親そのものに見えたそうです。そして、ちょっぴり突き出たお腹もそっくりだったとか・・・。

 育った環境や国が違っても、子供達の懐かしい記憶には何処か共通するものがあるのかしら・・・、大人にはわからないワクワクした世界、スカウト、ジェム、友達のディルと度胸試しをしていたシーンの様に私にも似たような記憶があるもの。 
 思春期の頃、私と弟もスカウトとジェムの様に母親を亡くしたので、彼らの心がとてもわかるのかな。スカウトがベッドの中から、彼女が二歳のときに亡くなった母親の事をジェムに尋ねるシーンは、遠くに消え行く母の記憶をつなぎとめていたい・・・そんな切ない気持ちでいっぱいで自分と重ねて観てしまうの。そして二人の会話をポーチのブランコでじっと聞いていたアティカスの姿は、今私が親になってみてより強く心に響いてくるシーンになったわ。

a0002405_0492451.jpg そして、この作品で忘れてはならないもうひとつの顔、差別や偏見の問題。肌の色の違いでどうしてあそこまで身勝手な考えをしてしまったのか・・・、多国籍の国だから・・・?。でも今世界で起こっている沢山の悲しい出来事が、米国の人々の心をひとつにしているのかもしれないわ。スーパーマンでもない一人の物語の主人公が”最も偉大な映画ヒーロー”に選ばれたのだもの。そのヒーローの姿こそが今米国で最も必要とされている心の持ち主”アティカス・フィンチ”なのだから・・・。 つづく。
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by suama | 2005-02-07 00:54 | クラシックムービー

「アラバマ物語」のやさしさを感じて その1

 7日BSで放送予定の「アラバマ物語」(1962米)。ハーパー・リーの原作本「To Kill A Mockingbird」をもとに描かれ、グレゴリー・ペックが正義を貫く弁護士を演じ、アカデミー賞主演男優賞ほか2部門を受賞した心あたたまる不朽の名作。
 
 1932年、アラバマ州の小さな街に妻を亡くし二人の子供と静かに暮らす弁護士アティカス・フィンチ(ペックさん)がいた。ある日裁判所から、婦女暴行事件の容疑者黒人青年トムの弁護を依頼される。差別、偏見のないアティカスはトムの無実を晴らそうと奔走するも、人々はそんなアティカスに冷たかった。そして裁判の日、被告の無実を主張するが、陪審員はトムの有罪を決定するのであった。
 
a0002405_1575772.jpg 印象的なオープニング、そしていつまでも耳に残るあたたかいテーマ曲。私はいつも物語の導入部から、アティカスのあたたかい人柄と子供達の無邪気な姿を感じながら、すーっとそのお話の中に引き込まれていくの。父アティカスと9歳の娘スカウト、そして13歳の兄ジェムの過ぎ去ったある夏の懐かしい日々を、成長したスカウトの記憶で綴ってゆく私の大好きな作品。
 この作品のあたたかさをもっともっとお話しできたらと思います。つづく。
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by suama | 2005-02-06 01:57 | クラシックムービー

ミーハーだった頃の私って・・・。その3

 エイドリアン・ズメッドからミシェル・ファイファーに心が動いてしまった私・・・。その頃ちょうど「レディホーク」(1985米)という映画が公開される事となり、またまた用心棒のDaddyこと私の父についてきてもらい、映画館へと向かったのでありました。

a0002405_0422352.jpg 13世紀のヨーロッパ、アクイラ大聖堂の司教はイザボー(ミシェル・ファイファー)に求婚するも、彼女には愛する騎士ナバール(ルドガ・ハウアー)がいた。彼女に拒まれた司教は嫉妬に狂い二人に悪魔の呪いをかけてしまう。イザボーは夜明けとともに鷹になり、ナバールは日が沈むと狼に姿を変える。二人が人間の姿で寄り添えるのは、日の出と日没のほんの束の間でしかなかった・・・。
 
 監督は「スーパーマン」や「リーサル・ウェポン」のリチャード・ドナー。なんて、幻想的な美しい世界なのかしら・・・と溜息が出るほど心をうつ作品でしたね。二人はいつも寄り添っているのに人間の姿では逢う事がない。イザボーの抜けるような白い肌に神秘的な冷たい美しさ、そしてナバールの力強く燃えるようなイザボーへの愛と苦しみ・・・。
 もうひとりの主役、フィリップ役のマシュー・ブロデリックは、当時デビュー3~4年とは思えないほど印象深い演技で二人の愛の架け橋になりますね。そして、「オーメン」などでミステリアスな存在を見せたおじちゃまレオ・マッカーンもフィリップとのドタバタと笑えるシーンがこれまた良いのです! この4人、そして司教を加えてのラストは・・・。SFXも盛り込まれた展開にうっとりしてしまうのでは!

a0002405_0431187.jpg 作品を観終わってからというもの、どっぷりと余韻に浸ってしまい、もっともっとミシェルのファンになってしまったわ。でもこの作品の彼女があまりにも好きになってしまったからなのか?その他の彼女主演の作品はあまり観ていないの・・・。

 その後素敵なミシェルおねえさんに憧れてしまった10代の私は、イザボーの様になりたくて美容院でカットするも、普通のショートカットになってしまいがっくりしてしまったのでした!(イザボーの写真を持って行ったのに美容師さんはミシェルを知らなかったのです、涙)
 やっぱりこの頃の私はミーハーだったのかしら?? おしまい。
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by suama | 2005-02-05 00:47 | 映画俳優