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生まれ変わった 「ローマの休日」

 昨日TV放送していた、「ローマの休日」(1953米)。私の古き良き映画人生がスタートしたきっかけも、18年前に観たこの作品のTV放送でした。
 
 当時の吹替えは、オードリー・ヘプバーンに池田昌子さん、グレゴリー・ペックに城達也さん。昔からこのお二人が殆どの作品の吹替えを担当されていたそうで、古くからのファンの方は、品のある上品なお二人の声に馴染みがあったのではないでしょうか・・・。昨日はデジタル・ニューマスター版での特別OAという事もあり、お二人の吹替えも、オードリーがすずきまゆみさんへ(この方は存じ上げないのですが)、ペックさんが津嘉山正種さんへとバトンタッチされていましたね!
 池田さん&城さんの声に長い間慣れ親しんだせいもあり、ラストまで新しい吹替えに馴染む事が出来ませんでしたが、これが時代の流れている証なのかしら・・・。
 スクリーンの中の24歳のオードリーも、37歳のペックさんもいつまでも色あせる事のない姿で、時が流れると共にその時代時代の新しい命が吹き込まれてゆく・・・。とても素晴らしい出会いなのだなと改めて胸が熱くなる思いでした。
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 私にとって、どの映画作品の中でもこの「ローマの休日」は懐かしく、特別で、いつまでも大切な作品。今回の放送を観て、時の流れ、新たな誕生、そして少しの淋しさを感じつつも素晴らしいひと時を過ごせた事が何より嬉しかったですね。
 日本の何処かに、昨日の「ローマの休日」を観て、初めてこの作品に出会った頃の私の様に、心に残る何か☆を感じた方がいらっしゃったら嬉しいわ・・・。
  
 また、いつかこの作品の想いをお話ししましょうね。
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by suama | 2004-10-30 22:44 | クラシックムービー

彼女はどこから来たのか… 「ジェニーの肖像」

a0002405_1363144.jpg  時を越えて愛し合う男と女。「ジェニーの肖像」(1948米)に初めて深夜枠の番組で出会った時は観終わった余韻に浸ってしまい、暫く眠りにつくことが出来なかったの・・・。

 1934年の雪の降る寒いNY、貧しい画家エヴン・アダムス(ジョセフ・コットン)はセントラルパークのベンチで新聞紙に包まれた落し物を見つけ、その持ち主のジェニー・アプルトンという少女と知り合う。彼女の口ずさむ不思議なうた、そしてどこか懐かしさを感じさせる彼女の雰囲気・・・。「私が大人になるまで待っていてほしい」と言って、ふっと彼の前から姿を消してしまうのであった。

 主人公ジェニーを演じたジェニファー・ジョーンズ(1919~)と翌年結婚する事になるあの大プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが彼女の為に製作したと言われ、全編幻想的な音楽と映像で、観る者を時空の交錯する世界へと導いていきます。作品の随所には、キャンバス地に描かれた絵のような場面もあり、白黒作品ならではの光と影が主人公達を美しく囲み、不思議な魅力のある作品になっていますね。
 
 ジョセフ・コットンとジェニファーはこの作品を含め5本もの共演作があるほど実に息の合った素晴らしいラヴストーリーを演じています。ジェニーにインスピレーションを感じ、その後画家としての成功を支え続けた画商のスピニーをエセル・バリモアが、ジェニーの修道院の院長にはリリアン・ギッシュが演じるなど魅力溢れる脇役にも注目ですね。
 
a0002405_137599.jpg この作品はただのラヴストーリーと違い、SF的な要素もあるのかしら・・・。アダムスは初めてジェニーに出会ってからその後5回一緒に時を過ごし、会う度にジェニーは大人の女性に一歩づつ成長していくのです。そしてアダムスの前にふいに現れ、ふっと姿を消してしまう・・・。彼は彼女と過ごしている時間が幻なのではと思いながら、ジェニーの軌跡を辿って行くうちに彼女はもうこの世の人ではないことを知ってしまうのですが、アダムスは信じる事が出来ないのです。でも当然ですよね、ほんのひと時でも温もりを感じ、成長していく彼女に接していたら、ジェニーの存在を否定できる事なんて出来ないわ、まして彼女を愛してしまっていたら・・・。
 
 DVDで改めてこの作品を鑑賞して、初めて観た時の映像と違い、クライマックスにかけては白黒からセピアやグリーンなどのカラーが施され、実に印象深く幕を閉じます(DVD化で初めて復刻)。物語の最後で、アダムスがジェニーの存在を確信した時、何かほっとしましね。出会いのきっかけとなったジェニーの落し物(スカーフ)が、最後まで印象的に使われていたのも切なくて良かったです。アダムスの良き理解者となっていた画商のスピニーはジェニーがこの世に存在していたらきっと、同じくらいの年齢であったのかしら・・・と思わせてくれたのも偶然ではないのでしょう。
 
 ♪「私はどこから来たのでしょう。それは誰にもわからない・・・。」♪
クライマックスで、ジェニーがついに大人の姿になってアダムスの前に現れるとき、二人に何が起こるのでしょう・・・。
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by suama | 2004-10-28 01:37 | クラシックムービー

あいつに惚れたぜ! 「第十七捕虜収容所」

a0002405_01516100.jpg  私は何故か女性が登場しない男くさ~い映画が好きなようで・・・。ビリー・ワイルダー監督作品「第十七捕虜収容所」(1953米)。初めて観たのが15~16年前、現在のDVD発売を本当に心待ちにしていたの。だってここ10年程全然ブラウン管で観る機会がなかったんですもの。 

 第二次大戦の独軍捕虜収容所(STALAG17)に米軍兵士が収容されていた。ある日2名の兵士が脱走を試みたが失敗、射殺されてしまう。その日からこの収容所にはスパイがいるのではと皆が怪しみ出すが・・・。

 主演の苦みばしった皮肉屋セフトン軍曹を演じたウィリアム・ホールデン(この作品でアカデミー主演男優賞受賞)は、閉鎖的な収容所内で孤立した存在に描かれています。ワイルダー監督作品に出演したビルの3作品目のブログ紹介、監督はかなりビルがお気に入りだった様ですね。

a0002405_0163368.jpg  収容所を扱った多くの映画作品の中で、最初に観たのがこのお話だったの。ワイルダー監督の描く、陽気で時にはシリアスに描かれた捕虜達の顔ぶれが実に人間味溢れていますね。中でも「七年目の浮気」(1955米)にも登場していたロバート・ストラウス(アニマル役)の存在は、悪名高き独軍を鼻息で飛ばしてしまいそう!現代人には想像も付かない収容所での悲惨な生活を、相棒と共に実にコミカルに跳ね除けてくれているのが印象的です。そして若き日のピーター・グレイヴス(「スパイ大作戦」のフェルプス君!)も顔を見せているのが嬉しいですね。

 ワイルダー監督のお得意のコメディの中にもサスペンス要素がふんだんに盛り込まれたこの作品は、他の収容所を扱った映画とは一味違い、戦時下でありながらも思わず微笑んでしまう程に生きる事への明るさを見せてくれます。時にはオットー・プレミンジャー演じる所長の、いかにも独軍と感じさせる振る舞いがスパイスとなり、より米軍兵士達を明るく引き立たせてくれますね。 スパイではないかと誰からも怪しまれながら独軍と闇取引をし、トランクいっぱいに戦利品を隠し持っているセフトンが、本当のスパイを探り当てていくシーンはこの作品の最大の見せ場、彼にいつもちょこんとくっ付いてその戦利品の番をしているクッキー(ジル・ストラットン・Jr)も実に可愛いです。 ビリー・ワイルダー監督だからこそ出来た傑作、女性の方にも是非にとお勧めしたい映画ですね!

 男が男として惚れてしまう!?ラストシーン。
その後、セフトン軍曹はどうなったのでしょうね? 
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by suama | 2004-10-20 00:22 | クラシックムービー

シャワーが怖かった... ジャネット・リー

a0002405_1164049.jpg 彼女の名前を聞くと、悲痛な叫びと共に無残にもナイフでメッタ刺しされる「サイコ」(1960米)のシャワーシーンを思い出す方が多い事でしょう。(書いているだけでも恐ろしい!) 先日10月3日病のため自宅で娘さんに見守られながら77歳で旅立ったニュースを聞いて、まだお若かったのに・・・とショックでした。
 
 ジャネット・リー1927年生まれ。1947年映画デビュー、「若草物語」(1949米)のメグ役が有名ですが、何故か私は第32話「刑事コロンボ・忘れられたスター」(1975)の彼女が忘れられませんね。
 彼女演じるグレースとネッド(ジョン・ペイン)は大年のミュージカルの大スター。これがアステア&ロジャースを彷彿させるストーリーになっていて何とも悲しくもあり、切ないラストシーンが印象的でしたね!コロンボといえば殺人事件、グレースは毎晩自宅の映写室で過去の主演作品を観るのが日課で、殺しの夜も「Walking My Baby Back Home」(日本未公開)という作品を観ていたのですからファンにとっては嬉しい限りだったのでは(この作品がアリバイとして使われていましたが・・・)。
 
a0002405_11715.jpg 1951年には俳優トニー・カーティス(1925~)と3度目の結婚をし(過去15歳と18歳の時に結婚・離婚を経験!!)、次女にはジェイミー・リー・カーティス(1958~)がいますね。稀代の魔術王として有名なフーディーニの生涯を描いた「魔術の恋」(1953米)で初共演した頃は、二人の円満な夫婦仲は始終雑誌で取り上げられていたと当時のパンフに書いてありました。中でも”いつまでも小娘の感じを失わないところがジャネットの身上”という記述にはちょっと笑ってしまいましたね!本当に”美男美女”という言葉がそっくり当てはまるご夫婦だったのに・・・。淀川長治さんは、「ジャネットは娘ジェイミーの活躍を話しているとき、それは幸せそうでしたよ」と生前おっしゃっていましたが、トニーとジャネットには何よりの娘の活躍ぶりだったのではと思いますね。
  
 先日、「ラリー・キング・ショー」で”ヒッチコック作品を振り返る”番組(おそらく1~2年程前のもの)をジャネットを追悼する意味で放送していました。ヒッチの娘パトリシア、ジャネット、ティッピー・ヘドレン、エヴァ・マリー・セイントがゲストでしたが、もう既にジャネットが病に侵されているようなやつれた感じがとても辛かったです。グラマーでスタイル抜群、そしてはじける様に輝くばかりの彼女をいつまでも忘れないでいたいですね。そして”あの”シャワーシーンも・・・。
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by suama | 2004-10-14 01:18 | 映画俳優

こんな情事にハマってみたい?「危険な関係」

a0002405_131337.jpg アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ演奏の「危険な関係(Les Liaisons Dangereuses1960)」のブルースが流れ、仏の貴公子ジェラール・フィリップとジャンヌ・モロー(1928-)が男女の歪んだエロティックな恋愛を演じる。監督はロジェ・ヴァディム(1928-2000)。
  
 1782年出版のピエール・コデルロス・ド・ラクロの小説を現代の仏に置き換えて映画化された作品。外交官バルモン(ジェラール)とジュリエット(ジャンヌ)夫妻は何とも奇妙な恋愛を演じている。お互い強く愛し合いながらも、共に伴侶以外の異性との情事を楽しみ、その情事の一部始終を伝え合い、別れの演出もお互いで行うのである。 ジュリエットの情事の相手コートに婚約者セシル(ジャンヌ・ヴァレリー)が出来た為、彼女は嫉妬からバルモンにセシルを誘惑させるが、セシルには愛している男性ダンスニー(ジャン・ルイ・トランティニャン)がいた。なかなかお堅いセシルだが最後はバルモンの手に堕ち、そして彼の子を身ごもる。その一方でバルモンは情事をする上で犯してはならない本物の恋をマリアンヌ夫人(アネット・ヴァディム)としてしまうのであった。
   
a0002405_1312934.jpg ジェジェ(ジェラールの愛称)の今までの作品の役柄からは想像できないほどセクシーで美しく、そして官能的・・・。実際の彼とはかけ離れたバルモンにショックが大きかった事を今でもはっきり思い出すわ。ジャンヌ・モローは31歳の若さであってもなかなかの貫禄で、どの仕草をとっても全てを知り尽くした”女”といった感じだったの。この小説は後に1988年小説と同じ18世紀仏貴族社会を舞台に「危険な関係」として米で、そして2003年李氏朝鮮時代を舞台に「スキャンダル」というタイトルで、ぺ・ヨンジュン氏主演で共に映画化されるなど、人気の高いお話なのですね。

  仏の映画が60年辺りを境に変わりゆく頃のまさに転換期の作品だったのかしら。いかにも仏らしい展開のラストだけれど、その後この様な作品は沢山生まれるのだから、大好きなジェジェがこの作品を人生の最期として残してくれたのは、何とも切なく時代の流れを感じたわ。パリ公開1959年9月9日、日本公開1961年5月、そしてジェジェが36年の人生に幕を閉じた1959年11月25日。日本公開は彼の死後、当時のファンの方はどんな気持ちでこの作品を見つめていたのかしら・・・。

 私には生涯経験しないであろう複雑に絡み合ったこころとからだ、そして愛憎が何だかとっても新鮮に映ったのは何故かしら?家族一番♪の私でも、ジェラールのバルモンが私の前に現れたら果たして・・・なんて展開を考えてしまった不謹慎な今回の私でありました!
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by suama | 2004-10-06 01:31 | クラシックムービー