人気ブログランキング | 話題のタグを見る

予知能力?を持つ少年のお話

予知能力?を持つ少年のお話_a0002405_235019.jpg ヒッチコックの代表作「北北西に進路を取れ」(1958)、何度も観ているとユニークなシーンにめぐり会えるものですね!

 物語の後半、ラシュモア山の休憩所シーン。ちょっと場所柄と不釣合いなスーツ姿のケイリー・グラント演じるロジャーの登場。(当時はこんなきっちりスーツ姿も観光スポットでは有りかと…)そこへ、三人の怪しい人物が…と言っても映画を観ている私達はそう思うのであって、観光客はいっこうにお構いなし!ロジャーとヴァンダム(ジェームズ・メイスン)がお茶をしながら会話をしていると、イヴ(エヴァ・マリー・セイント)が彼らの元に戻ってきてそこからはご存知の展開へ…。

 と、ここからのシーンで、彼らの右斜め後ろの背中を向けて座っている少年の行動が実に怪しいのです!イヴはこの後、空砲の拳銃(この時は皆実弾入りと思っています)をロジャーの体めがけて発砲しますが、この少年はすごい!!ブロンドの美女イヴがロジャーたちのテーブルに近づいてきただけで、鋭い勘♪が働いたのでしょう、背中越しに斜めの視線をキラリ!と送っています。そしていよいよ問題の銃がイヴのバッグから取り出されるやいなや、発砲前だというのにすかさず耳を手で覆ってしまうのです!
 
 ヒッチの作品でこういうエキストラを観かけるのは初めてだったので、面白くて面白くて、物語の先が読めてしまう行動はNGの対象にはならないのかしら?と思いましたね。(でも、初めて観る人はそんなエキストラの行動には目が行く訳がないですよね。失礼!)
 映画には思わぬところにNG場面があったりしますが、この作品の少年の行動は果たして物語の流れの自然な行動として観たほうが良いのかしら…とヒッチにお聞きしてみたい気分になるひとコマでした。

 ☆この当時は映画館で1度だけ観てもらう前提で映画って作られていると思うので、まさかお茶の間で好きな時に何度も鑑賞される時代が来るなんて、もしヒッチが知ったら映画の作り方も変わったでしょうね!

by suama | 2004-07-11 23:51 | アルフレッド・ヒッチコック