風に乗って行っちゃった…渥美清

a0002405_0428.jpg 石原裕次郎の映画を観るまでは彼を「太陽にほえろ」での”ボス”をイメージした様に、渥美清もまた「男はつらいよ」の”寅さん”だと思い描いてる方も多いことでしょう。

 渥美さんは1996(H8)8月、68歳で長い旅に出発されましたね。今、彼を偲んで人生を振り返ってみると、子供の頃は病欠が多く、26歳で結核を患い療養生活を3年過ごしたりと彼の体格からは想像できないほどご苦労されていたようですね。

 いつだったか、「徹子の部屋」でゲストの倍賞千恵子さんが渥美さんとの想い出を語っているとき、お二人ご一緒に出演されていたかなり前のVTRが流れ、真っ白なセーターを着た静かな渥美さんには全く”寅さん”の影など見えなかったのです。第一作目「男はつらいよ」(1944)のさくらさんのお見合いの席に立ち会った寅さんが見せた”お茶目”で”どうしようもない”お兄ちゃんのイメージはそこにはありませんでした。初めて見た渥美さんの素顔は、口数が少なく、とても頭のきれる方の様に私の目には映りました。そして私が観ることの出来た渥美さんの唯一の素顔でもありました。

 ”寅さん”を演じるようになって、人一倍健康に気を遣いながら、そのイメージを壊さぬよう、銀幕でしかお会いできない方になった様に思います。現在の日本映画の世界では古き良き香りのする”銀幕のスター”など、いなくなってしまいましたからね!そんな方はもう出てこないのでしょうか。

 渥美さんが亡くなってから一度だけ”寅さん展”なるものに出掛けた事がありました。大好きな映画のシーンが次々と想い出されとても良い一日でしたが、今後暫くは映画の中だけで”寅さん”に逢いたいな…と感じました。なぜか渥美さん=寅さんが日本の何処かでまだ旅の途中のような気がして、私の心の中では寅さんの旅は進行形であってもらいたいからかしら。

 私の故郷鎌倉で、沢山の「男はつらいよ」が誕生したことを嬉しく思います。「大草原の小さな家」のインガルス一家を想う様に、日本映画で唯一の心の故郷「男はつらいよ」の渥美さんをいつまでも大切にしていきたいです。 

旅の空で逢えそうですね。
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by suama | 2004-06-21 00:43 | ノスタルジック